やあ、アラサー腐男子のダイキだよ!理原先生の「ギニーピッグは檻の外の夢を見ない」下巻のレビューだよ。いや~、男体妊娠研究所ってワードからしてもうぶっ飛び設定なんだけど、しっかりディストピアでシリアスな展開がグサグサ刺さってくる…!幼馴染みの愛憎とか、初めての発情期とか、絵面エロいのに話は重いしで、感情のジェットコースター状態だった。しかも、エロは多いけどガッツリ感動もあるから、読み終えたあと心が忙しい忙しい。設定てんこ盛りなのに、2人の関係性はしっかり描かれてるし、絵もめちゃくちゃ綺麗。BL好きなら新鮮さとドキドキでページ止まらなくなるやつ!…とりあえず「令和のエロテロリスト」、伊達じゃなかった。気になる人は心して読んでくれ!
基本情報
作品タイトル:ギニーピッグは檻の外の夢を見ない 下
シリーズ:ギニーピッグは檻の外の夢を見ない
カップリング:研究員 ✕ 被験者
作者:理原 先生
出版社:Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
出版年月日:2024/04/25
あらすじ
男体妊娠研究所の被験者・凪冴は、愛憎相半ばする幼馴染・隼仁との再会によって初めての発情期を迎える。研究目的のセックスのはずが、隼仁は完璧な避妊を徹底。その意図が読めず、凪冴は戸惑いを隠せない。実験の枠を超えて芽生えてしまったお互いの想い、発情期以外でも身体を求め合う欲望――。一方、研究所に隠された秘密や過酷な運命も明らかになり、二人は生き方そのものを問われることに。脱出、葛藤、仲間たちとの絆。セックスと愛、その本質に迫りながらも、誰もが幸せになれるわけじゃないディストピアBLのラスト。果たして凪冴と隼仁は、檻の外で「夢」を見ることができるのか?
おすすめポイント
- 男体妊娠研究所というディストピア設定が刺激的。
- 複雑な愛憎を抱える幼馴染カップルの関係性が拗れてて最高。
- エロ描写は多めなのに、ストーリーと感情描写がしっかりしている。
- 攻めの激重独占欲と、後半デレ強めな受けの変化が尊い。
- 理原先生の美麗な作画がエモさとエロさどちらも爆上げ。
感想・考察(ネタバレ注意)
いや~、読み終わった瞬間、しばらくぼーっとしちゃったよ。とにかく一気に駆け抜ける展開と、理原先生の美麗な作画に心を持っていかれた。タイトルだけでも「何だこの意味深な雰囲気…」ってなるけど、中身は想像以上に重たくて、それでいて優しい部分もあって、感情の起伏が忙しい一冊だった。
まず、男体妊娠研究所という設定からしてパンチ強すぎ!BLではオメガバースとか妊娠ネタが定番化してるとはいえ、現実的に“なぜどうやって妊娠するのか”をちゃんと描こうとした意欲作。SFかファンタジーかで言ったら、ややふわっとした科学設定なんだけど、そこをあえて細かく語らず、凪冴と隼仁の関係性にフォーカスしてるのが本作の面白さでもあるんだよね。
本作のキモは、研究所という閉鎖空間の中で、被験体として生きるしかなかった凪冴が、隼仁との再会で「自分の気持ち」に目覚めていくところ。そのきっかけがセックス、しかも発情期絡みってのがすごくドラマチック。単なる実験のはずが、お互いに避けられない感情になっていく。しかも隼仁がなぜか完璧な避妊をする(=本気で孕ませる気がない?)っていう、ひねくれたツンデレ(?)っぷりが激重で、読んでて「いやもう素直になろうぜ!」ってヤキモキしっぱなし。
2人が素直に想いをぶつけ合うシーンは本当に圧巻。隼仁の独占欲はかなり強いんだけど、凪冴も最初は「被験体としてしか愛されない」って歪んだ認識で自己防衛してる姿に、リアリティがあったな。どっちも不器用すぎて、こっちまで「もう!お前ら…!」って頭抱えたくなる。最終的にしっかり想い合えて、体も心も繋がっていく過程がエロにも濃厚に影響してて、行為シーンが2人の心情の変化を感じるスパイスになってるのが本当に良かった。
そして何より、絵がめちゃくちゃ綺麗。細やかな表情や仕草、肌の質感とかも色気ダダ漏れ。特に隼仁の「眉間にしわ寄せて快楽堪えてる」表情、これはズルい。美しい攻めの執着顔、少年漫画じゃ絶対見られないやつ!受けの凪冴も、初めは硬かった表情が、話が進むにつれて徐々に柔らかくデレていくのが可愛すぎ。2人きりの時だけデレが増し増しになるの、萌えの爆弾でしかない。
でもこの作品、単なるラブラブ甘々BLじゃない。「研究所の秘密」に触れてからの展開はかなり重くて、カナタさんや他の被験体たちの存在が、物語に深みを与えてくれてる。失われた命の重みや、“幸せ”の定義が人それぞれだってこと、軽く消費できないテーマがしっかりある。カナタさんの最期には僕もグッときた…。悠心くんもめちゃくちゃいい子で、「この子には幸せになってほしい」って切に願わずにいられない。
エンドは決して全員が幸せ、という簡単なものじゃない。脱走して研究所を告発、社会に一石を投じるけど、失われた命や遺された人のことを考えると、手放しでは喜べない苦さが残る。個人的にはラストの“曖昧さ”も含めて好きなんだけど、ハッキリしたカタルシスを求める人にはちょっと物足りないかも。だけど、だからこそ「現実ってこんなもんだよな」っていう余韻がある。
あと地味に好きなのは、「こんなゆっくりしたセックスは歳をとってからすればいい」っていうセリフ。これ、攻めからしたら最大級の愛情表現だし、こういう何気ない一言の破壊力がこの作品の隠れた魅力だと思う。
エロは多いけど、プレイ自体は過激じゃないから「エロ目当てで読む」もOK。でも、その裏にある人間ドラマがすごくしっかりしているので、ライトなBL好きよりもちょっとマニア向けかも。「こういう陰りが好き!」って人にはグサグサ刺さると思う。
総じて、独特のディストピア世界で揺れ動く感情と、美しい絵でガッツリ攻めてくる一冊。余韻に浸りたい人や、関係性重視派にはかなり刺さる作品でした!
こんな人におすすめ
- 男体妊娠やディストピア設定のBLに興味がある
- 幼馴染のこじれた関係が好き
- シリアスさとエロスを両立した作品を求めている
- ハッピーエンドだけど余韻や切なさも感じたい
- 画力が高く綺麗な絵のBLを堪能したい
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ギニーピッグは檻の外の夢を見ない 下