やっほー、アラサー腐男子・ダイキだよ!今回は鯛野ニッケ先生の「寄宿舎の黒猫は夜をしらない(下)」を読んで、エモさで部屋の湿度が2割増しになりました。上巻で気になってた謎やキャラの気持ちが、下巻でグサッと刺さってくる展開…いやもう、泣けるしドキドキするし、感情が忙しすぎる!吸血鬼…いや、作中では「吸血人類」って呼ぶんだけど、その独自設定がまた面白くて。恋と吸血がリンクして、切なさもロマンもMAX。しかも、サブカプたちも主役並みにドラマチックで、読後は「みんな幸せになってくれ~~!」って心から叫びたくなったよ。吸血鬼×寄宿舎×青春BLの三拍子、気になる人はぜひ読んでみて!
基本情報
あらすじ
人間のユキは、寮で暮らすうちに同級生のジーンの正体が「吸血人類」だと知ってしまう。人と吸血人類が共存するために設けられた学園には、血を吸わずに生きる切ない掟や、愛ゆえに発動する特別な力があった。ユキがジーンに惹かれていく一方で、「愛すること」そのものが彼らを苦しめてしまう現実に直面し、心を閉ざす決意をする。さらに、記憶を消す力を持つ吸血人類・パベルと、彼を愛しては忘れてしまうアウラとの苦しくも美しい恋、過去に起きたミイラ事件に隠された悲恋など、複数のカップルが種族を超えて愛の形を模索する。吸血の悦びと哀しみ、運命に抗う勇気――星の鱗粉が舞う幻想的な世界で、誰かを愛することの意味が問われる学園吸血ロマンス。
おすすめポイント
- 吸血鬼×人間、切なさ全開の寄宿舎ラブが味わえる!
- 「星の鱗粉」など独自の吸血鬼設定がロマンチックで秀逸
- パベル×アウラの切ない記憶喪失カップルに涙腺崩壊
- BLならではの“催淫型”など幻惑能力設定が新鮮すぎる
感想・考察(ネタバレ注意)
まず、この作品を読み終わったあと、僕の心はしばらく「吸血人類」と「人間」の間でぐるぐるしてた。寄宿舎の黒猫は夜をしらない、タイトルだけでもロマンチックなんだけど、実際の内容は想像以上に切なくて、エモさが渋滞してる!鯛野ニッケ先生、天才かもしれない。いや、かもしれないじゃなくて天才だったごめんなさい。
物語の主軸は、吸血鬼ならぬ「吸血人類」たちが人間社会と共存しようとする学園生活。ジーンとユキのメインカップルももちろん良い。でも正直、脇を固めるパベル×アウラのカプが、もう…涙腺崩壊レベルで刺さった。パベルが血を吸うたびにアウラの記憶が消えてしまうって、どんだけ業が深い設定なの。愛するたびに忘れられるとか、控えめに言っても地獄でしかない。でも、アウラはなぜか毎回またパベルに恋してしまうんだよね。その繰り返しがもう、報われなさそうで報われる…いや、やっぱり切ない!パベルの「少しでも記憶のかけらが残ればいい」みたいな気持ち、読んでるこっちまで祈るような気持ちになったよ。
そしてメインのジーン×ユキ。吸血行為が愛の証明になる世界観、これもまた新鮮。「星の鱗粉」が出るって設定、めっちゃロマンがあるしBL的に映える。吸血=単なるエロスじゃなくて、何か超えちゃいけない一線、タブー感と切実さが混ざり合ってて、読んでるとジワジワ染みてくるんだよなあ。ユキがジーンを本気で好きになってしまって「ごめんなさい、愛してしまって」って泣くシーンは、真剣に胸がギュッとなった。お互いの幸せを本気で願うからこそ、簡単に一緒にはなれない。恋が相手を不幸にするかもしれない…って、普通のカップルにはない葛藤で、めちゃくちゃドラマチック。
あと、吸血人類ごとの「幻惑作用」とか「星の鱗粉」とか、細かい設定も抜群に効いてる。鯛野先生、吸血鬼モノのファンタジー感にBLの甘さと痛みを絶妙にブレンドしてて、頭が下がります。催淫型とか忘却型とか、BLならではの「おいしい」要素が盛り込まれてるのに、変に下品にならないのがまたいい。エッチシーンも二人の感情のピークを丁寧に描いてるから、読む側もめちゃくちゃ気持ちが入る。
そして忘れちゃいけない、20年前の「ミイラ事件」。これ、過去話としては短いのに、どえらい重たさを持ち込んでくれる。愛しすぎて相手の血を吸いすぎてしまう…吸血鬼BLの禁断と悲劇、全部詰め込まれてて、なぜか他人事じゃなく感じるんだよなあ。人外×人間の「一緒にいることの難しさ」を突きつけてくるし、その上で「それでも愛したい」って思わせてくれる力がある。
あと、寄宿舎の黒猫たち!てっきりヴァンパイアのお供的な役割なのかと思いきや、あんまり深くは関わらない、ただのモチーフだったっぽい。でも、物語の雰囲気作りにはバッチリ。タイトルの詩的な余韻に繋がるし、寄宿舎の不思議な空気感がすごく伝わってくる。
全体的に見て、メインカプもサブカプも、どちらにもきちんとスポットが当たっててボリュームも満点。上巻を読んで「あれ?」と思ってた謎や伏線も、下巻で綺麗に回収されてて、二度読み推奨なのも納得。読後は「やっぱこの二人(いや三組か)、幸せになってほしい!」って本気で願わずにいられなかった。未来に向かうラストの明るさも良かったし、後日談も読ませてくれるのが嬉しい。「吸血鬼BL」は数あれど、ここまで切なくて美しい群像劇はそうそう無いと思う。
とにかく、エモい!エモすぎる!そして何より、種族の壁も、記憶の消失も、すべてを超えて「好き」という気持ちに正面から向き合っていくキャラたちの姿に、めっちゃ勇気もらった。吸血鬼好き、学園もの好き、切ないBLが読みたい人、みんなに推薦したい一冊(上下巻だけど)です!
こんな人におすすめ
- 吸血鬼×人間の種族越え恋愛にときめく
- 切ない記憶喪失カップルものが好き
- 世界観が緻密に作り込まれたBLを読みたい
- 複数カップルの群像劇BLが好み
- エモさで心を揺さぶられたい
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寄宿舎の黒猫は夜をしらない(下)