【レビュー】ギニーピッグは檻の外の夢を見ない 上|男体妊娠ディストピア×幼馴染の重すぎる純愛

やっほー、アラサー腐男子のダイキです!今回ご紹介するのは「ギニーピッグは檻の外の夢を見ない 上」。「男体妊娠」「実験施設」「幼馴染再会」の三連コンボに、僕も興味津々…!しかも絵がめちゃくちゃ綺麗。表紙も良いけど、本編のモノクロ作画の美しさ、ふつうに美術館クラス。物語は、妊娠なんて望んでないのに勝手に研究所送りにされた凪冴の苦悩から始まるんだけど、そこに現れるのが昔憧れてた幼馴染・隼仁。はい、ここから感情ジェットコースター発車します。ディストピアな世界観の中で、エロもシリアスもてんこ盛り、倫理観はどっか置き去り!まさに「令和のエロテロリスト」って帯の煽りに偽りなし。BL界でもなかなかない切り口なので、ガチで一読の価値アリッスよ!

📝基本情報

作品タイトル:ギニーピッグは檻の外の夢を見ない 上

シリーズ:ギニーピッグは檻の外の夢を見ない

カップリング:研究員 ✕ 被験者

作者:理原 先生

出版社:Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)

出版年月日:2024/04/25

📖あらすじ

人口減少が深刻化した近未来。国は男体妊娠の研究を進め、被験者として研究所に強制収容された冬美凪冴(ふゆみ なぎさ)は、発情期も妊娠も未経験のまま5年の歳月を過ごしていた。日々をやり過ごすだけの彼の前に現れたのは、かつての幼馴染であり憧れの存在だった隼仁(はやと)。しかし隼仁は、今や冷たい研究員となり、凪冴に対しても容赦ない態度をとる。発情期を迎えてしまった凪冴は、隼仁と「被験者」と「研究員」という歪んだ関係で再び交わることに。理想と現実のギャップ、監獄のような施設で見張られる日常、それぞれの事情を抱えた仲間たちとの共同生活。希望と絶望が入り混じる閉ざされた世界で、二人の心はどう変化していくのか──。切なくも背徳的なディストピアBL、開幕。

🌟おすすめポイント

  • ディストピアな男体妊娠研究所という攻めた設定が刺激的!
  • 幼馴染み同士の拗れた純愛と激重の独占欲がたまらない
  • エロシーンも濃厚で、監視下での背徳感がピリッと効いてる
  • 世界観に合った無機質な施設描写とモノクロ作画が抜群に美しい
  • 脇キャラも個性的で、次巻への伏線が気になりまくる

💬 感想・考察(ネタバレ注意)

読み始めてすぐ「うわ、これはただの男体妊娠ものじゃないぞ…」ってビリビリ来た。世界観、近未来の研究施設っていうディストピア設定がもう重い!けど、絵がめちゃくちゃ綺麗で、ページをめくる手が止まらなかったんだ。

最初は「男体妊娠」と聞いて勝手にオメガバースっぽいのを想像してたけど、全然違う。強制的に被験者にされて、5年も檻の中で自分の意思とは無関係に「子を産むため」に管理されるって、設定からして容赦なさすぎでしょ。主人公・凪冴が妊娠も発情期も望んでないのに「お国のため」に無理やり巻き込まれてる感じ、リアルに胸が痛い。これぞBLディストピアの真骨頂…。

そんな凪冴の前に、かつての憧れ&人生のヒーローだった隼仁が研究員として現れるんだけど、もうここからの空気がヤバい。凪冴の「信じてたのに裏切られた」的なジリジリ感と、隼仁の「冷たいフリして実は愛が重すぎる」感じのねじれた関係性に、ページごとに胃がキリキリしてくる。この二人、ただの幼馴染じゃなくて、無自覚な依存というか、距離感がおかしいくらい近い。もう何その「お前のことは一生守る!」みたいな純粋さ…と思いきや、中身はかなりこじらせてるんだよね。

発情期を迎えた凪冴と、それを「研究のため」として見守る研究員…という地獄みたいなシチュエーション、いやマジで倫理どこいった?って感じで、読んでて背徳感MAX。でも、隼仁の「お前とこんなことしたくはなかったよ」って冷たいセリフの裏に、めちゃくちゃ重い執着や自己犠牲の愛が隠されてるのが伝わってくる。隼仁、外面は冷徹だけど、内面は独占欲ダダ漏れだし、凪冴が他の誰かと…ってなるとすぐブチギレるの、もうニヤニヤせずにはいられない。

それにしても、理原先生の絵が美しい。モノクロの陰影やキャラの表情の作り込みがすごくて、特に隼仁が快楽に耐える顔とか、凪冴の戸惑いと拒絶の混じった表情、エロシーンでの繊細な手の描き方…目が幸せ。アングルも多彩で、デッサンが崩れないから、めちゃくちゃエロいのにどこか品があるんだよなぁ。

あと、研究施設の描写が絶妙で、「病院」というより「刑務所」感が強いのも印象的。畑仕事したり、運動場があったり、一見穏やかな日常風景なんだけど、ガラス越しに監視されたり、強制的にセックスさせられたり、希望も自由もない閉塞感。しかも「子どもを産んだ人は別施設に移されて戻ってこない」って不穏すぎ!絶対なんか隠してるだろこの施設…。正直、読んでて「無事にハッピーエンドになるのか?」ってどこかで不安になった。

サブキャラも良い味出してる。凪冴が唯一心を許してるエンジニアの悠心、めっちゃ分かりやすく凪冴に好意持ってるのに、凪冴はピュアすぎて全く気づかないという…。この子、今後どう絡んでくるのか気になるし、なにげに三角関係の予感?それとも、ただの癒しポジション…?個人的には隼仁派だから、悠心には悪いけど、当て馬で終わりそうな気がしてるけど、下巻でどうなるか…乞うご期待!

エロに関しては、テーマ的にもかなり多め。ただ単にサービスショットって感じじゃなくて、キャラの心理描写や関係性の変化が丁寧に描かれてるから、読んでて「この二人、ちゃんと心が通じてほしい…!」と応援したくなる。隼仁が凪冴にだけ見せるちょっとした優しさや、無自覚なデレが最高に美味しい。あと、施設の倫理観はかなりぶっ飛んでるので、苦手な人は注意。モブおじにヤラれちゃう描写とか、好き嫌い分かれるかも。

全体としては「ただエロいだけの男体妊娠ものじゃなくて、愛と執着、理不尽な社会への抵抗が詰まった一冊」って感じ。絶望から始まる物語だけど、隼仁の重すぎる愛情と凪冴の不器用な心が、どうやって「檻の外の夢」を掴むのか、続きがめっちゃ気になる作品!

🔍こんな人におすすめ

  • ディストピア設定のBLに惹かれる
  • 男体妊娠テーマの作品に抵抗がない
  • 執着・独占欲強めの攻めキャラが好き
  • エロス多めで重めのシリアス関係が読みたい
  • 幼馴染の拗れた関係性に萌える
ダイキのアイコン

ダイキ

アラサー腐男子。いままで読んだBL漫画は1,500冊以上!好きな作家さんはヤマダさん(鯛代くん、君ってやつは)、山田ノノノさん(跪いて愛を問う)、鯛野ニッケさん(その夜のどこか、シリーズ)、ほかたくさん。学園モノが好き。ファンタジー系もちょっと好き。グロ、ホラーは苦手。なるべくハピエン希望。

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