やあ、ダイキです!今回は「ずるい男に拾われました 上」を読んできたんだけど、これ、心がじんわり温まる系のBLを探してる人にはぜひオススメしたい!アラサー独身・アル中(!)・女好きという三重苦…いや三重奏?な葉月さんと、いろいろあって家出してきた真くんの同居生活が始まるんだけど、とにかく葉月がダメ男なのに妙に憎めない。なのに、ちゃんと優しさもあって、真くんの弱った心にどんどん染みていく感じが良いんだよね~。ギャグセンスも抜群で、重くなりがちなテーマもコミカルさでサクサク読めるのがポイント高し!ちなみに葉月の周辺キャラがやたら濃くて笑えるし、犬もいい味出してる(笑)「なんでこんなダメ男がモテるんだ?」とツッコミ入れつつ、気づいたら真くんと一緒に葉月に惹かれてる自分がいる…そんな魔力のある一冊だよ!
基本情報
あらすじ
家出をした真(まこと)は、ひょんなことから酔っ払いの葉月に拾われ、彼の家で居候を始めることに。30歳独身、アルコール好きで女好き、だらしなくて自由奔放な葉月。そんな葉月の世話を焼く日々の中で、真は彼の不器用だけど優しい一面に触れて少しずつ心を癒やされていく。葉月の同級生や近所の人たち、オカマバーのママ、さらには元カノまで、個性豊かな面々と賑やかに過ごすうち、真は「恋愛対象を作らない」と公言する葉月に惹かれていく。しかし、どうしても自分の気持ちは止められなくて──。だらしない大人と心に傷を抱えた家出少年、凸凹だけどあったかい同居生活が幕を開ける!
おすすめポイント
- ダメンズだけど憎めない葉月の魅力が炸裂!
- 家出少年・真のいじらしさと成長が尊い!
- コミカルな会話とギャグセンスでテンポ抜群
- 脇役たちも個性豊かでストーリーに深みが出る
- 恋の始まりのドキドキ感と癒しが同時に味わえる
感想・考察(ネタバレ注意)
僕、「ずるい男に拾われました 上」は実はタイトルだけ見ると、よくあるダメ男×家出受けのテンプレなのかな…なんてちょっと身構えてた。でも、読み始めてすぐ「この作品、むしろズルいのは読者の心を持っていく方じゃないか?」って思わされたよ。
まず、家出少年の真が本当にいじらしい。家庭に事情があって逃げてきたものの、決して拗ねてるわけじゃなく、どこか人懐っこいし、素直。なのに、彼が心から安らぐ場所を知らなくて、葉月のだらしなさにすら居心地の良さを感じてしまう…この心理描写がリアルすぎて胸に刺さる。人ってさ、完璧な人より、ちょっと欠けてる人の方が救いになる場合もあるんだよね。僕もたまに「この人、ダメなとこも含めて愛しいな」ってなるから、真の気持ちがわかる気がする。
そして葉月。こいつがまた絶妙なダメ男なんだ。アル中かってくらい酒飲んでるし、女好きだし、生活態度はグダグダ。でも、真のことだけはなぜか放っておけない。事情を根掘り葉掘り聞くこともなく、あっさりと「うち来いよ」って言えちゃう。これって、優しさというよりも、葉月自身が誰かと一緒にいたい寂しがりなのかもしれないって思わせる。普通だったら「いやいや、こんな男と住んだら余計病みそうでしょ」ってツッコミたいところなんだけど、葉月の人間臭さが妙にリアルだから、むしろ共存できるんだよなあ。
ギャグ漫画で鍛えられた作家さんだけあって、会話のテンポがめちゃくちゃいい!葉月と真のやりとりはもちろん、オカマバーのママとか同級生のテツオ、おじいちゃん、犬…脇キャラがみんな濃くて、でも変に浮いてない。シリアスな場面も、絶妙にギャグが効いてて重くなりすぎないんだよね。個人的には、葉月が真を泣かせると犬が唸るシーンがツボ。動物にまで気を遣われる攻めって、なかなかレアだよ(笑)
恋愛部分も、いきなりラブラブ!じゃなくて、お互いの距離感をちょっとずつ探りながら進んでいくのが良い。真が徐々に葉月に惹かれていく過程が丁寧だし、キスやエロも控えめで「夢オチ」だったり、もどかしいくらい。でもその分、真の「好き」が積もっていく感じとか、脈打つ高揚感が伝わってきてグッとくる。物理的な距離より、心の距離が縮まっていくのをじっくり描いてくれてる印象。
あと、葉月って決して「スパダリ」じゃないんだよね。見た目はちょっとワイルドでモテそうだけど、中身のだらしなさとか、自由奔放すぎる生活ぶりが等身大。イケメンでもなく、DV男のダークな魅力もなく、普通にダメな部分と優しさが同居してて、だからこそ真が惹かれてしまう説得力がある。こういうキャラ、最近のBLで逆に新鮮かも。
デビュー長編とは思えない安定感もすごい。200ページ超のボリュームなのに、キャラのブレもないし、無理な展開も感じない。むしろ、真の実家の問題とかは全然解決しないまま終わって「あれ?続きは…?」となるくらい。まあ、これは上下巻構成だから仕方ないけど、続きが気になってモヤモヤして上巻を閉じ、流れるように下巻を開くんだけどね!
全体としては、愛情の「与えられる側」だった真が、葉月やその周りの人たちから不器用だけど確かな愛情を受けて変わっていく過程があったかい。読後にほんのり心が温まる、そんな一冊。僕としては、犬とオカマバーのママがもっと活躍してくれたら嬉しいな〜なんて思いつつ、下巻にも乞うご期待✨️
こんな人におすすめ
- ダメ男だけど憎めない攻めキャラが好き
- コミカルとシリアスのバランスを楽しみたい
- 家出少年×お世話好きな大人の同居ものが気になる
- 脇役キャラまで魅力的な作品が読みたい
- 溢れる愛情と温かい雰囲気に癒されたい
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ずるい男に拾われました 上