やあやあ、アラサー腐男子のダイキです!今回はユノイチカ先生の「夜明けの唄 5」を読んだ感想を語るよ。毎巻、心臓をギュッて掴まれるこのシリーズ、今回の5巻は今まで以上に重い、痛い、しんどい、そんな感情が押し寄せる一冊だったんだ。BLと聞いて「いちゃいちゃ」「萌え」とか期待しちゃうと逆にビックリするかもしれないけど、物語としての奥深さと人間ドラマはガチで神レベル。アルトとエルヴァの関係も、光と闇のギリギリのバランスで展開していく感じがたまらない…。正直、読んだあとはしばらく放心状態だった僕だけど、それだけ作品に引き込まれてる証拠ってことで!BLの枠を越えた壮大なストーリー、みんなにもぜひ知ってほしいな。
基本情報
あらすじ
黒海と呼ばれる存在に翻弄される世界で、領主の従者アルトは、黒海に乗っ取られた領主の妻ニナから自身の衝撃的な出自を知らされる。エルヴァへの愛は確かだと信じながらも、真実を伝えることができず葛藤するアルト。同じ頃、島で貴族を狙った襲撃事件が発生し、警護にあたることになったエルヴァは、8年前に亡くなったはずの兄のような存在ミカイルと再会する。しかし、その再会はエルヴァにとって辛い過去を突きつけるものだった。覡(かんなぎ)として生きる者たちの痛みや怒り、そして黒海の謎が明かされ始める中、二人の間に流れる静かな愛情と、過酷な運命が交錯していく。
おすすめポイント
- 壮大なファンタジー世界で繰り広げられる重厚なストーリー展開が圧巻。
- エルヴァとアルトの過去と心の痛みに深く迫る、読後感ズッシリな展開。
- 黒海や覡(かんなぎ)をめぐる謎が更に深まり、考察欲が刺激される。
- BL的な萌え要素は薄めだけど、キャラの関係性の切なさが沁みる。
- ユノイチカ先生の画力と世界観構築力が相変わらず神レベル。
感想・考察(ネタバレ注意)
今回の「夜明けの唄 5」、読了直後はしばし呆然。いや、だって表紙見たら一瞬「これ、幸せそうな巻なのかな?」って油断するじゃん?でも実際の中身は「心の筋トレ」ってくらいヘビー。どこまでもズシンと来る展開で、僕のアラサーメンタルも久しぶりに本気出して読んだよ。
まず、アルトが自分の「黒海」の出自を知ってしまうくだり。ここ、もう見てらんないくらい苦しい。自分の中に「悪」とされるものがあると分かって、それでもエルヴァへの想いに嘘はないって信じたい葛藤。言えそうで言えない…っていう心のぐちゃぐちゃ、分かりみが深すぎる。アルトのこと、抱きしめたくなったのは僕だけじゃないはず。
で、エルヴァもエルヴァで、8年前に死んだはずのミカイル――兄のように慕った存在――と再会。しかもこれがまた、ただの再会じゃなくて、忌まわしい過去や自分たち覡の運命がズルズル明かされていく地獄巡り。読者としても「やさしくない世界だな…」って嘆きたくなるレベル。
ぶっちゃけ、今巻はBL的なドキドキや萌えシーンは少なめ。いちゃいちゃもほぼ皆無。アルトとエルヴァの距離感も、心配になるくらいシリアス寄り。正直「今日の糖分どこ?」ってコンビニで甘いもの探す気持ちになった。でも、この重さがあるからこそ、二人が光になってくれって、こっちも祈る気持ちが倍増するんだよね。
ストーリー面で言うと、黒海の存在や乗っ取られる条件、覡たちの過去や生贄の真実…謎が謎を呼ぶ展開が止まらなくて、読みながら頭フル回転。人の憎しみや絶望が絡む条件づけとか、「全員死ねばいい」と思う人の稀有さとか、人間の闇の描き方が絶妙。ニナやミカイル、そして何よりもエルヴァ自身の過去の痛み。優しい世界線はどこ…?って叫びたくなるんだけど、逆にこの絶望のなかで「それでも生きて、愛して、信じたい」っていう人間ドラマが刺さる。
あと、作画が相変わらず神レベル。表情の機微、絶望や怒り、哀しみ、ほんの少しの救い――全部が絵に滲んでて、セリフがなくても伝わってくる。ユノイチカ先生、恐るべし。エルヴァの儚さや強さ、ミカイルの狂気と哀しさ、アルトの揺れる瞳…しんどい展開なのに、しっかり”美しい”んだよなあ。
最後に、巻末の描き下ろし12Pは本当に救い。しんどい本編を読んだ後に、ちょっぴりほっこりできるから、まるで激辛カレーの後のラッシーみたいな癒やし。これがあることで、読後感がちょっとだけ優しくなる(笑)
「夜明けの唄」シリーズはBLの枠を軽々と超えてくる物語。とにかく「しんどい」けど、その先の「希望」や「愛」を信じたくなる一冊。アルトとエルヴァ、どうか幸せに…って、僕も全力で祈ってる!
こんな人におすすめ
- 重厚なストーリーをじっくり味わいたい
- ファンタジー×BLの世界観が好き
- シリアスで心に刺さる人間ドラマを求めている
- 痛みや苦しみを描いた作品に没入したい
- 一筋縄ではいかないBLに惹かれる
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夜明けの唄 5