【レビュー】息できないのは君のせい|快楽主義サックス奏者×王子様フルート奏者、セフレ4年越しのピュア恋愛

どうも!アラサー腐男子のダイキです!今日は澄谷ゼニコ先生の『息できないのは君のせい』をご紹介するよ。pixivで話題になってて、コミックス化を心待ちにしてた人も多いんじゃないかな?吹奏楽団を舞台に、女たらしサックス奏者と王子様フルート奏者――この組み合わせ、もうすでに美味しそうでしょ?一見タイプの違う2人が「利害一致」で始まるセフレ関係って、どうなるのさ…と思ったら、まさかの4年越し?!しかも、攻めと受けの意外性が絶妙!背が高い女たらし=攻めだろうな~と思いきや、まさかの逆!BL沼の深さを再確認させられた…。ちなみに、エロ度は控えめ。でもその分、空気感とか恋のすれ違い描写がエモすぎて、僕、読んでて息止まりそうだったよ(タイトル回収)。恋愛下手な2人の不器用すぎるやりとり、これは一読の価値ありです!

📝基本情報

作品タイトル:息できないのは君のせい

シリーズ:息できないのは君のせい

カップリング:フルート奏者 ✕ サックス奏者

作者:澄谷ゼニコ 先生

出版社:リブレ

出版年月日:2021/01/20

📖あらすじ

快楽主義で女たらしのサックス奏者・志筑順は、同じ楽団で王子様的人気を誇るフルート奏者・矢野雪路のことがなぜか苦手。そんな二人、一見接点は薄そうだけど、あるきっかけから「利害の一致」でホテルで密会する関係に。しかもその“セフレ”関係、なんと4年間も続いちゃうというから驚き。志筑はいつも女の子にモテモテ、矢野は優しすぎて彼女との恋愛が続かない――そんな恋愛下手な二人が、体だけの関係を続けるうちに、次第にお互いへの「特別な感情」に気づき始める。だけど、不器用同士だからこそ起きるすれ違いや誤解に、ハラハラドキドキ。セフレから本気の恋人に変わっていくまでの、不器用だけど甘い恋の行方は…?息ができなくなるほど、キュンとする恋の物語です。

🌟おすすめポイント

  • セフレから始まる恋がじっくり丁寧に描かれている!
  • 背の高い女たらし受け×優しすぎる王子様攻めという意外性が最高
  • エロ描写は控えめだけど、その分じれったい関係性が尊い
  • 吹奏楽団という大人の趣味が舞台で雰囲気が新鮮
  • ふたりの不器用な両片想いにキュンとさせられる

💬 感想・考察(ネタバレ注意)

いやー、読了後の「息できない…!」っていうタイトルの意味、これほどしっくりくる漫画ある?と本気で思ったよ。「息できないのは君のせい」は、BL好きとして“セフレもの”にありがちなテンプレを逆手に取った、良い意味で予想外の一冊だった。

まず、サックス奏者・志筑(しづき)と、フルート奏者・矢野。この2人がどっちもノンケで、お互いに最初から恋愛感情ゼロ、しかも趣味の楽団という意外な場が出会いのきっかけ。ここで「え、こういう始まり方、めっちゃ新鮮じゃない?」ってテンション上がった。普段はバーテンダーと書店員という全然違う職業の2人が、音楽で繋がるのもエモいし、「サックス吹けないから志筑くんのことカッコいいと思ってた」っていう矢野の一言が、普段の王子様キャラからちょっとはみ出してて、めちゃくちゃズルい。

そして、最大の“萌えポイント”。攻めと受けの配置が、ほとんどの読者の予想を華麗に裏切ってくる!背が高くて、女たらしで顔面偏差値MAXの志筑がまさかの受け。しかも攻めの矢野は見た目は優男で、柔らかい雰囲気。僕も最初「絶対志筑が攻めでしょ!」って疑わなかったけど、読み進めて「あれ、逆…?え、逆だよね?」って二度見した。澄谷ゼニコ先生、攻め受けの意外性をここまで爽やかにやってくれるのありがたいっす!

あと、エロ描写が少ない。これ、実は結構賛否あるかも。正直な話、僕も事前に「セフレもの」と聞いてウキウキで読み始めたから、「あれ?エロは…?」って最初ちょっとだけ物足りなさを感じたのは事実。でも、これが不思議と物語に集中できて、2人が“セフレ”という表面的な関係性から、どうやって「好き」に気付いていくかのサスペンス(?)に心が持っていかれるんだよね。むしろ、エロが少ないことで2人の“手を繋ぐだけで呼吸が苦しくなる”みたいな初々しさが際立って、読んでるこっちの心臓が持たない。BLあるあるの「エロが全てじゃない」ってやつを、これほど説得力持って描いた作品は珍しいと思う。

作中のすれ違いも絶妙。4年もセフレやってて、どっちもお互いに「好き」がバレたら終わりだと思い込んでて、無駄に遠回りしてる姿がめちゃくちゃもどかしい。志筑は女の子とも遊びまくる快楽主義者なのに、矢野にだけは本性さらけ出せなくて、つい距離を置きたくなっちゃう。そのくせ、実は誰よりも矢野のこと独占したいって気付いた時の葛藤が最高。矢野も“優しすぎて、本命の彼女からは逆に不信感持たれる”みたいな苦い経験持ってて、だからこそ志筑に本気で向き合っちゃう。二人とも不器用すぎて、読んでる方も「もう、はよ素直になれよ!!」って何度も突っ込み入れたくなる。

音楽がテーマなだけあって、「呼吸」の描写が本当に上手い。楽器を吹く時の息、キスの時の息、そして恋でドキドキして苦しくなる息――全部が重なり合って、タイトルの意味がどんどん深くなっていく。手を繋ぐだけ、肩を寄せるだけで顔真っ赤にして、お互い息遣いが荒くなるシーンは、エロ以上にエモい。むしろ“心のエロス”みたいなやつ。

あと、pixiv時代からのファンから「単行本になったらエロも追加されるのでは…?」って期待の声もあったみたいだけど、きっぱりエロなしで突き抜けたのはむしろ好印象。最終的に“両片思い”からきちんと気持ちを伝え合って、ハッピーエンドを迎えるのも王道だけど安心できる。描き下ろしの「朝チュン」もニヤニヤが止まらなかった。

個人的には「背が高い受け」が地雷な人もいるだろうけど、澄谷先生はそこにちゃんと“萌え”を置いてくるから、むしろ新鮮に感じた。むしろBLに慣れている人ほど、こういう“逆”の配置が刺さるんじゃないかな。

総じて、「セフレものだけど、エロなしで超純愛」。そして不器用男子たちが呼吸もできなくなるくらい本気で恋する、そんなまっすぐな物語。タイトル通り、読んでる僕まで息できなくなるくらいキュンキュンした!

ちなみに…「息できないのは君のせい SUPER PINK」という18禁でがっつり全編エロという番外編(これもともと同人誌なのかな?)もあり〼。。

🔍こんな人におすすめ

  • セフレから始まる両片思いのもどかしさにキュンとしたい
  • エロ描写が少なくても糖度高めのBLが好き
  • 攻め受けの意外性に萌えたい
  • 音楽や吹奏楽がテーマの恋愛ものが気になる
  • じわじわ距離が縮まる恋愛下手なカップルを応援したい

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息できないのは君のせい

息できないのは君のせい

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ダイキ

アラサー腐男子。いままで読んだBL漫画は1,500冊以上!好きな作家さんはヤマダさん(鯛代くん、君ってやつは)、山田ノノノさん(跪いて愛を問う)、鯛野ニッケさん(その夜のどこか、シリーズ)、ほかたくさん。学園モノが好き。ファンタジー系もちょっと好き。グロ、ホラーは苦手。なるべくハピエン希望。

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