やあやあ、アラサー腐男子のダイキです!「囀る鳥は羽ばたかない」8巻。今回は4年ぶりに再会した矢代と百目鬼が、もう…もだもだ!あの矢代が!百目鬼くんもただの従順わんこじゃなくなってて、知らん間にめっちゃ成長してるし。二人の関係が、同じ場所でグルグルしてるように見えて、実はちゃんと変化してるのが尊い…。あと、ヨネダコウ先生の伏線と演出の巧みさには毎度ゾクゾクするんだよなぁ。特に林檎のシーンとか、「愛を知ったが故の地獄」って感じで痺れる!BLというジャンルでまとめきれない深さ、まさに「囀る」というジャンルだなって再認識。とにかく、すれ違いと切なさで心臓ギュッてなるのが好きな人は必読!さ、語らせてください、この沼…。
基本情報
あらすじ
四年ぶりに再会した矢代と百目鬼。かつては矢代に従順だった百目鬼も、今では桜一家の構成員となり、周囲から一目置かれる存在に変わっていた。お互いに「手形」を持って消えた男・城戸を探すことになったふたりは、利害が一致し行動を共にするが、関係はぎくしゃくしたまま。矢代が今も他の男に抱かれていることを知った百目鬼は、「誰でもいいなら自分で我慢しろ」と矢代に迫り、ふたりの間に緊張が走る。過去の痛みと新たなすれ違い、変わったものと変われないもの――互いに複雑な想いを抱えながら進むふたりの関係は、これからどこへ向かうのか。
おすすめポイント
- 4年ぶりの矢代と百目鬼の再会がドラマチックすぎる!
- すれ違いながらも深まる2人の関係性に胸が痛くなる
- 伏線や対比、象徴表現の使い方が鳥肌レベルで巧み
- 「愛」と「因果応報」をめぐる心理描写がエグいほど繊細
- 再読したくなる重層的なストーリー構成がたまらない
感想・考察(ネタバレ注意)
待ちに待った「囀る鳥は羽ばたかない」8巻、やっと読めた…!この4年ぶりの再会、矢代と百目鬼の空気感がもう冒頭からビリビリで、最初の数ページで「うわ…やっぱり囀るは別格だな」と唸っちゃった。7巻の終わりで新章突入って感じだったけど、8巻はその「ジリジリ」感がMAX。進展してるのに、全然すんなりはいかない。いや、むしろこの「すれ違い」と「螺旋状の変化」こそが、本作の真骨頂だよね。
まず百目鬼。カタギに戻ったと思いきや、桜一家の構成員になってるわ、綱川に信頼されてるわで、まじで成長したな…って思う。でも矢代から見たら、昔の従順な百目鬼はどこにもいなくなっていて、距離感が変わってしまったことに切なさが爆発。再会したふたりが「手形を持って消えた城戸」を追うって展開も、バディものっぽい熱さがあるのに、どこまでも「交わらない寂しさ」が付きまとう。
そして矢代。4年間の間に「何も感じない体」になってしまったという事実…これがあまりにも重い。過去のトラウマ(井波にレイプされたこと)を自分でも「因果応報」と口にするシーン、読んでて思わず立ち止まった。昔は「誰のせいでもない」「巡り合わせ」って言ってたのに、今は「原因と結果」を認識してる。つまり、百目鬼という存在と愛を知ったことで、自分が「ただの道具」じゃなくなったってこと。あの「齧られた林檎」の見開き、ヤバすぎた…。「知らなければ、失くすこともなかった」って、まさに禁断の果実を食べてしまったエデンのアダム状態。どれだけ絶望しても、もう元には戻れない。百目鬼への想いが「自分を苦しめる運命」になってるのが、もう息苦しいほど伝わってくる。
百目鬼の方も、ずっと矢代から「優しい普通のセックスは禁止」って言われたことを引きずってて、でも矢代の身体は「優しくしてほしい」って全身で訴えてる…このすれ違いが切なすぎる!トライ&エラーで何度もすれ違い続けるふたり、今回は「本当にこれで終わり?」ってぐらい出口のないもどかしさ。夢の中で百目鬼が矢代の手を掴んで「離したら世界でひとりぼっち」になるシーン、そして現実で同じ構図が出てくるとき、胸がギュッとなった。どっちも不器用すぎて、読んでてこっちが泣きそうになる。
あと今回は伏線の多さも異常レベル。ヨネダコウ先生、どこまで計算して物語を転がしてるの?ってくらい、過去の出来事が今に繋がるのがゾクゾクする。再読必須、というか1巻から読み返したくなる中毒性。サブキャラも地味に熱い。七原&杉本の麻雀シーンとか、張り詰めた空気のなか唯一の癒しだったし、杉ちゃんの成長も案外見どころ(笑)百目鬼の「彼女」疑惑とか、クラブのママの正体とか、次巻へのフックもバッチリ。
そういえば、BLとして読むと「受けが壊れて回復していく」って定番だけど、囀るは「壊れてもなお苦しみ、愛を知って更に苦しむ」っていう、めちゃくちゃ重いアンサーを投げてくる。矢代が人に愛されることを覚えたからこそ、他の男では満たされなくなったってのが、めちゃくちゃリアルで切ない。だから百目鬼以外の相手だと「何も感じない」っていうのは、ある種最強の純愛かもしれないけど、本人からしたら地獄だよなぁ…。枯れた矢代に「自分で我慢しろ」って百目鬼が迫るシーン、名場面なのに痛すぎて見てられない。
長々書いたけど、8巻を読み終えて思うのは、「人は変わる。でも変われない部分もある」。矢代も百目鬼も、互いに変わりたいし、変わったと思いたい。でも変わりきれなくて、またすれ違う。その地獄を「甘い林檎」として描きながら、読者もまたこの地獄(=快楽)から抜け出せない…。僕の中で「囀る~」はもうBLとかジャンル超えて「囀る~」という一つの文学になってる。いやホント、ヨネダコウ先生、恐ろしい人だ。
こんな人におすすめ
- 繊細な心理描写やキャラクターの変化をじっくり味わいたい
- ヤクザものBLに惹かれる
- すれ違いと葛藤がもどかしい関係が好き
- 伏線や対比、象徴的なシーンを深読みしたい
- 「愛」と「トラウマ」が交錯するドラマに心を揺さぶられたい
🛒 購入はこちら(Amazon)

囀る鳥は羽ばたかない 8