【レビュー】囀る鳥は羽ばたかない 7|4年越しの再会と、“変わる”ふたりの愛の行方

やあ、アラサー腐男子のダイキです!ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない 7」を語りたいと思うよ。もうね、待ちに待った7巻…!矢代と百目鬼、あの2人にまた会える日が来るなんて、ダイキ感激(涙)前巻のラストで心に穴があいた人、手を挙げて?(僕も挙げてます)。4年という月日が流れ、それぞれの人生を歩んできた2人がある事件をきっかけに再会。え、成長した百目鬼、黒シャツ&レザーグローブでビシッとキメてるとか…イケメン爆上がりでしょ。でも一方で、あのトラのトレーナー姿の初々しさが懐かしくて胸がキュンとしたり。大人になった彼らの再会は切なさMAX、けれどそのもどかしさもまたご馳走で…!ヨネダコウ節全開の、甘くて苦い、でもやっぱり愛しい2人の関係。語り始めると止まらないから挨拶はこのへんで残りは感想で語らせて!

📝基本情報

作品タイトル:囀る鳥は羽ばたかない 7

シリーズ:囀る鳥は羽ばたかない

カップリング:用心棒 ✕ 若頭

作者:ヨネダコウ 先生

出版社:大洋図書

出版年月日:2021/03/01

📖あらすじ

平田との壮絶な抗争から4年。矢代は組を離れ、闇カジノの金主として新たな人生を歩んでいる。時折訪れる三角からは元の世界に戻るようせっつかれつつも、矢代の心はどこか空虚なまま。一方、矢代に捨てられた百目鬼は、天羽の計らいで綱川の元に身を寄せ、ヤクザとして生きる道を選んでいた。二人はこの4年間、一度も顔を合わせていない。そんなある日、ある事件をきっかけに再び二人は運命的な再会を果たす。時間だけが過ぎ去ったわけじゃなく、それぞれの心や立場にも大きな変化が訪れていた。変わってしまったものと、変わらずに残るもの。その狭間で揺れる二人の再会は、止まっていた時間を静かに動かし始める。

🌟おすすめポイント

  • 4年ぶりの再会が切なさと色気を倍増させる展開!
  • 矢代と百目鬼、それぞれの成長と変化が胸を打つ
  • 「変わる」「変わらない」を問う深いテーマにグッとくる
  • 裏社会の緊張感と静かな愛情のコントラストが秀逸
  • 表紙&作中の黒スーツ百目鬼が圧倒的にカッコいい

💬 感想・考察(ネタバレ注意)

「囀る鳥は羽ばたかない 7」を読み終えた僕の胸の内、まさに「切なさ爆発」って感じだった。4年という月日が描く重み、2人の間に流れる空気が、まるで自分の人生の一部みたいに感じられて、読後しばらく放心してしまった。いや、これマジで。

まず、矢代と百目鬼が離れていた4年間。これがめちゃくちゃ効いてる。今まで「離れられそうで離れられない」みたいな2人だったけど、ほんとに物理的にも精神的にも離れて、それぞれが別の世界で生きてる。でも読んでて「あー…やっぱりどっかでお互いを思ってるんだろうな」って空気がプンプンする。寂しさともどかしさ、まさに熟成された大人のBL。百目鬼なんて29歳に成長してて、これまでの無垢さが影を潜めて、黒シャツ&レザーグローブでめちゃくちゃイケオジ予備軍。なのに、虎のトレーナー着てた頃を思い出して「もうあの百目鬼はいないのか…」って僕もちょっと切なくなる。

今回のテーマ、「人は変わるのか、変わらないのか」。矢代が「変わるもの」と答えたシーンは、BL史に刻んでいいくらい印象的だった。ずっと「変わらない」側だと思ってたのに、彼がこの4年で確かに何かを感じとったんだろうな…って。しかも百目鬼を見て「変わったな」って思ってるのか、自分自身の内面を見てるのか分からないところがまたリアルで。綱川の「人はどうせ変わらない」っていう対比も効いてて、ヨネダコウ先生、やっぱ天才だわ。

再会シーンは、もはや犯罪級のエモさ。矢代が記憶喪失のフリして百目鬼を突き放してたこととか、あの「俺のこと覚えてたんですね 頭」ってセリフ。百目鬼の表情がグッと緩む瞬間、思わず僕も顔が緩みましたよ。ああいう細やかな心理描写、本当に大好き。

あと、百目鬼の変化も見逃せない。それまで「頭」として絶対的な矢代を見上げてきた百目鬼が、今回は「もうあなたの部下じゃない」って言う。つまり、上下じゃなく隣り合う関係に踏み出そうとしてるんだと思う。しかも矢代を「矢代さん」って呼ぶようになるの、これ、めちゃくちゃ大きな進化。ずっと矢代中心だった百目鬼が、自分のアイデンティティを見つけ始めた証拠なんじゃないかな。

今回、エロ描写が控えめって意見も多いけど、個人的にはむしろ一番「甘い」巻だと感じた。肉体関係うんぬんより、2人の心情の距離が一歩ずつ近づいてるのが嬉しい。矢代が身体を張る理由が「百目鬼を守るため」っぽくなってるのも、今までと明らかに違う。百目鬼だって、矢代のためならどんなこともできるって覚悟が透けて見えるし、いやぁ…大人の男同士の執着愛っていいなあ。

それとサブキャラの存在感も相変わらず。三角さんとのシーンは、なんだかんだで矢代を支えてるし、綱川のセリフもめっちゃ刺さる。竜崎も生きてて(!)嬉しかったし、お風呂場シーンはBL界の名シーン枠にぶち込んでいい。百目鬼の独占欲が爆発する感じ、たまらん。

矢代の失明、これが地味にショックだった。右目を手で覆うシーン、ずっと意味深だなと思ってたけど、そんなことまで背負ってたのかよ…と。これが今後2人にどんな影響をもたらすのか、想像するだけで胃がキリキリする。

僕がこの7巻で一番強く感じたのは、「大切だからこそ離れる苦しみ」と「変わる、変わらない」の狭間で揺れ動く人間のリアル。BLって、しばしば「愛があれば全て乗り越えられる」みたいな夢を見せてくれるけど、この作品はもっと残酷で現実的で、それでも諦めきれない一途さがある。だからこそ、2人に幸せになってほしいって心から思う。

正直、読み返すたびに新しい発見があって、「ああ、これが名作の底力なんだな」としみじみ思うんだよね。これから2人がどう変わり、どう「隣り合う」のか。続きが気になって夜しか眠れない。とにかく、まだまだ目が離せない最高の一冊だった!

🔍こんな人におすすめ

  • 歳を重ねた男たちの切ない愛が読みたい
  • 変わること・変わらないことをテーマにした物語が好き
  • ヤクザBLのシリアスで重厚な人間ドラマが好み
  • じっくりとキャラの心情を描写する作品を探している
  • 再会ものや時を経た恋愛に胸が熱くなるタイプ
  • 甘さ控えめで大人の色気漂うBLを求めている

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囀る鳥は羽ばたかない 7

囀る鳥は羽ばたかない 7

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ダイキ

アラサー腐男子。いままで読んだBL漫画は1,500冊以上!好きな作家さんはヤマダさん(鯛代くん、君ってやつは)、山田ノノノさん(跪いて愛を問う)、鯛野ニッケさん(その夜のどこか、シリーズ)、ほかたくさん。学園モノが好き。ファンタジー系もちょっと好き。グロ、ホラーは苦手。なるべくハピエン希望。

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