【レビュー】囀る鳥は羽ばたかない5|壊れそうな心に触れる夜、矢代と百目鬼の覚悟

やあ!アラサー腐男子のダイキだよ!
今回紹介するのは、ヨネダコウ先生の名作「囀る鳥は羽ばたかない 5」。これね…もう、語彙力がふわっと飛んでいきそうになるくらい、ため息モノの一冊だったよ。4巻までで「え、そこで終わるの?!」って焦らされたけど、ついに、ついに…矢代と百目鬼が一線を越える…!でも単なる“やっちゃいましたハッピー”じゃなくて、ふたりの積み重ねてきたものとか、闇とか、心のひび割れとか、全部がぶわあっと押し寄せてくる濃密な内容。エロも切なさも最高濃度で胃もたれ必至。ページをめくる手が止まらないどころか、何度も戻って読み返す羽目になったよ。BL好きなら5割増しで心臓が持ってかれるので、ぜひ覚悟して読んでほしい!

📝基本情報

作品タイトル:囀る鳥は羽ばたかない 5

シリーズ:囀る鳥は羽ばたかない

カップリング:用心棒 ✕ 若頭

作者:ヨネダコウ 先生

出版社:大洋図書

出版年月日:2017/11/30

📖あらすじ

抗争が激化する中、真誠会若頭の矢代は部下の百目鬼の部屋で、これまで目を逸らし続けてきた「気持ち」と向き合うことに。矢代を守りたいと願いながらも一線を越えることに躊躇してきた百目鬼と、互いに強く意識しながらも絶妙な距離感を保ってきたふたり。しかし、百目鬼がついに矢代に想いを告げたことで、二人の間にあった均衡が大きく崩れ始める。自分にとって「失いたくないもの」ができてしまう怖さと、初めての感情に戸惑う矢代。百目鬼の真っ直ぐな愛情に触れることで、矢代もまた新しい自分を知ることになる。揺れ動く心と強い絆、ヤクザの世界で生きる孤独と渇望――二人はどんな道を選ぶのか。それぞれの想いが交錯する、切なくも美しい転換点の第5巻。

🌟おすすめポイント

  • 矢代と百目鬼、ついに一線を越える激アツ展開!
  • 百目鬼の真っ直ぐさと矢代の脆さがぶつかる告白シーンが胸に刺さる
  • トラウマを抱えた矢代が愛を知って揺れる心理描写が超濃密
  • 二人のセックスシーンにBL史上まれに見るページ数と丁寧さ
  • ヤクザ抗争のシリアスさと切ない恋模様が絶妙に絡む
  • 脇キャラの竜崎や平田のドラマも見逃せない

💬 感想・考察(ネタバレ注意)

5巻、やっと…やっとこの瞬間が来た!と叫びたくなったのは僕だけじゃないはず。矢代と百目鬼、ついに心も体も一線を越えるわけだけど、ここまでの道のりが長すぎて、もう感情が追いつかない。しかも、ただの「やっとセックスしました!」で終わらないのがヨネダコウさんの恐ろしいところ。人の心の機微や過去の傷、その全部が絡み合って、一つ一つのシーンがもう…エグいくらい沁みる。

矢代はいつも強がってて、百目鬼の前でも「特別扱いなんかしてないよ」みたいな雰囲気を出してるくせに、実は心の奥底では百目鬼に特別なものを感じてたっていう。自分と似た部分を百目鬼に見て、「共感」していたなんて、あの矢代から出てくるとは…なかなかの衝撃だった。これ、恋愛偏差値めちゃくちゃ低いでしょ(笑)でも、そんな不器用さが彼の魅力なんだよなぁ。

百目鬼も百目鬼で、今までの献身とか忠誠はどちらかというと「崇拝」みたいなものだったのに、矢代の弱さや脆さに気付いたことで一気に「恋」に自覚がシフト。あの涙の意味を考え出したら、こっちもつられて涙腺崩壊しそうになった。崇拝の魔法が解けて、やっと等身大の矢代と向き合えた瞬間だったんじゃないかな。

そして、ついに迎えた二人の初めての夜。いやもう、何ページ使うの!?ってくらい、濃密に丁寧に描かれてて、下手なラブロマンス漫画よりも純度の高い「初体験」だったと思う。矢代は痛いのが好き、みたいな自己認識をずっと持っていたけど、それが昔のトラウマや自己防衛ゆえっていうのが、今回ようやく明らかになる。自分で自分を騙して生きてきたっていう彼の悲しさや脆さ、百目鬼の真っ直ぐな優しさで少しずつほぐされていくのが、本当に切なくて…!「もっと痛くしてくれ」って言う矢代に「しません」とキッパリ言う百目鬼、もう拍手喝采しかない。こういう攻め、最高だよ、ホント。

あと、セックスシーンで涙する矢代とか、今までの「相手にされること=愛」っていう価値観が全部ひっくり返されていく過程がリアルすぎて、見ててしんどい。でも、そこが最高にBLなんだよな。エロスと痛みと救いが一緒くたになって、読者の心をぶん殴ってくる感じ。僕もページめくる手が止まらなかった…

一方で、百目鬼の愛は重いくらい真っ直ぐで、矢代の全部を受け入れる覚悟が見える。矢代もそれに応えたいけど、素直になれないし、過去の呪縛もあるしで、二人で絡み合ってるのに全然「すんなり幸せ」にはいかない。むしろ、やっと繋がったからこそ新たな壁が見えてくる。事後に目覚めたとき、矢代が自分の顔を手で拭ったあと、表情が豹変するのにはゾクッと来た。矢代が自分から百目鬼を突き放すところはもう…切なすぎて泣いた。自分を守るためにも、百目鬼を守るためにも、あえて冷たくするのが矢代流なんだろうな。

後半は抗争のゴタゴタや竜崎、平田の闇もガッツリ描かれてて、ヤクザBLとしての重厚感もばっちり。竜崎の矢代への想いがちょっと報われなさすぎて、こっちも胸が苦しい…。サブキャラたちの苦悩や嫉妬、過去の因縁も絡んで、物語の深みが増していく感じ。「BL漫画」の枠を軽く越えて、人生の闇とか光とか全部詰め込んでるなって思う。

総じて、5巻は矢代と百目鬼の「夜明け」とも言える大転換点。二人の関係が進んだ喜びも切なさも、読者も一緒に味わわされる。まだまだ幸せには遠いけど、それでも「読んでよかった」と思える、濃密すぎる一冊でした。ヨネダコウ先生、これからも全力で追いかけます!

🔍こんな人におすすめ

  • 丁寧に描かれる心の傷やトラウマに惹かれる
  • じっくり心情が交錯する重厚なBLを読みたい
  • BLに深い人間関係と葛藤を求める
  • ヤクザ・極道ものの世界観が好き
  • 切なさ全開の愛と痛みが交差する関係に弱い

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囀る鳥は羽ばたかない 5

囀る鳥は羽ばたかない 5

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ダイキ

アラサー腐男子。いままで読んだBL漫画は1,500冊以上!好きな作家さんはヤマダさん(鯛代くん、君ってやつは)、山田ノノノさん(跪いて愛を問う)、鯛野ニッケさん(その夜のどこか、シリーズ)、ほかたくさん。学園モノが好き。ファンタジー系もちょっと好き。グロ、ホラーは苦手。なるべくハピエン希望。

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